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「大半は死亡」は誤り 年金検証委サンプル調査で判明

2007.10.31 22:32
このニュースのトピックス年金問題

 公表された「年金記録問題検証委員会」の最終報告書には、基礎年金番号に未統合の年金記録約5000万件のサンプル調査(7840件分)の結果も盛り込まれ、5000万件の実態が初めて明らかにされた。入力ミスなどで記録統合に支障が生じる可能性のある記録が4割弱あった以外に生存可能性が高い人の記録が33.6%あることも判明。「5000万件の大半は死亡者などの記録で、年金給付に結び付く可能性は低い」としてきた社会保険庁の説明が否定された格好だ。

 調査では昨年6月現在の未統合記録約5000万件のうち、28都道府県分からそれぞれ280件ずつ無作為抽出し、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)の情報と照合した。

 生存の可能性が高く、手続きを取ればすぐに記録統合が可能な人の記録は全体の33.6%。これらの記録について、検証委員会は平成9年1月の基礎年金番号導入時に、社保庁が「56歳以上の人は受給申請時に処理できる」として記録確認を呼びかけなかったことなどが原因で未統合になったと推定している。

 社保庁はこれまで「年金給付に結び付く可能性は低い」としてきたが、死亡者や保険脱退者、保険料の納付情報がない者など新たな年金給付に結び付かない記録は27.9%にとどまった。これにはサンプル抽出した昨年6月以降に統合された記録も含まれる。

 一方、氏名や生年月日の入力ミスなどで住基ネットとの照合ができず、今後の記録統合に支障が出る可能性がある記録は38.5%に上る。この中には結婚などで名前が変わった人や、住基ネットに記録がない14年8月以前の死亡者も含まれているが、それぞれがどの程度の割合かは不明だ。

 内訳を類推するため検証委員会は、昨年6月から全国の社会保険事務所で行っている年金特別相談の抽出調査を実施。特別相談でオンライン記録が訂正された主な理由は(1)旧姓で管理していた=35.7%(2)氏名、生年月日の誤り=36.2%(3)氏名、生年月日が空欄=20.9%−だった。旧姓の間違いや1日前後の生年月日の違いは社保庁の照合プログラムで、ある程度確認が可能だが、氏名の空欄などは手書き台帳との照合が不可欠で、記録統合まで一定の時間がかかる可能性が高い。

 検証委員会は、サンプル調査で5000万件の記録の年代や加入期間なども分析している。年金に初加入した年代をみると、昭和30年代が29.8%と最も多く、続いて60年代から基礎年金番号導入前の平成8年までの12年間が27.9%。30年代や60年代は記録管理方法が大幅に変更された時期と重なっている。

 社保庁や自治体の職員による年金保険料の着服・横領による年金記録の紛失については、検証委員会は「確認するに至ったものはなかった」と結論付けた。ただ、横領しても加入者に催促状が送られない制度の悪用などがあったとして、横領被害がさらに広がる可能性も指摘した。

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