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【仕事人】(21)女性騎手で史上最多勝利を更新中・宮下瞳さん(31) 「女だから勝てない」と言われて (1/3ページ)
このニュースのトピックス:仕事人
プロのレベルで男女が同じ条件で闘う珍しいスポーツに競馬がある。そこで610勝の勝ち星を積み上げ、女性としては史上最多勝利数を更新中だ。
「勝負は結果がすべて。逆に言えば、女性だって武豊騎手のように頂点に立てるということです」
それでも周囲の目は厳しい。特に、最後の直線で豪快に鞭を使って馬を追い込む男性騎手は、女性騎手と比べものにならない迫力がある。競馬界は「女は馬の力を100%引き出せない」ともいわれる男社会だという。
平成7年に18歳で初騎乗して以来、現役生活は14年目。デビューしたてのころは1番人気の馬に騎乗しても、最後の最後に男性騎手の馬に追い越され、2着に甘んじることが多かった。スタンドからは「女だから勝てないんだ」と、容赦ない罵声(ばせい)が飛んだ。馬主が、調教師に「女はダメだ。男の騎手に代えろ」と耳打ちする声も聞いた。
「力の差では最後に男性に負けてしまう。仮に2着であっても、悪い面での固定観念が強い女性は、周囲の評価が厳しいんです」
同僚の男性騎手にその話をすると、意外なひと言が返ってきた。「おまえはスタートが抜群じゃないか。男は力が強すぎてだめなんだよ」
ヒントを得たような気がした。手綱を引いて馬にスタートを伝えるとき、女性は力が弱い分、馬に負担をかけることなく好発進につながる。レースでは早い段階から前に飛び出し、最後の直線で男性騎手の馬に追い込まれても、それまでのリードで逃げ切る。
自身のスタイルを確立するため、誰よりも早く調教に姿を見せ、連日20頭以上の馬のパートナーを務めた。その姿勢が調教師の目にとまり、騎乗機会の増加にもつながった。女性ならではの利点で勝ちパターンを見いだした今、「彼女が先行馬に乗れば好勝負」と言われるまでになった。
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