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【仕事人】(7)金融街で響く「最高の音」 ジャズ喫茶マスター、中塚昌宏(61) (3/3ページ)
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「旧来のジャズ喫茶にはしたくなかったんです。ジャズ一辺倒の店には、したくなかった。普通のお客さんにも来てほしい。そしてこんな素晴らしい音楽があるんだ、と知ってほしい。ジャズは敬遠されている。このままではつぶれてしまう。なぜ受け入れられないのか。ジャズの方で難しくしすぎているところもあるのではないか。まず聴いてほしい。いい音で。そして少しでも、ジャズの力になりたいと思うんです」
ランチタイムにはライトなジャズで、ボリュームも抑えめに。夜も更けてマニアックな常連客が集まりだすと、ヘビーなジャズの出番となる。顔ぶれを見て、表情をみて、選曲とボリュームの上げ下げに忙しい。でもそれが、楽しくてたまらない。厨房(ちゅうぼう)は次男と女房に任せ、お客さんと好きなオーディオの話をしているとき、このうえない至福を感じる。
次男は実は、サザンオールスターズが好き。「ジャズは?」と聞くと、無言でニコッと笑った。中塚が所用で店を空けていると、ボリュームが下げられていることがある。そんなときは店に戻り、少しムッとしてボリュームを上げる。まずは、家族の洗脳から始めなくてはいけない。
=敬称略
文・別府育郎
写真・寺河内美奈
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