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【仕事人】(2)整形外科医・伊藤恵康(65) 球界の常識変えたメス (1/5ページ)

2009.1.3 02:49
このニュースのトピックス仕事人
病院長となった今も診察に腕をふるう伊藤恵康さん病院長となった今も診察に腕をふるう伊藤恵康さん

 「投手の利き腕にメスを入れるなんて論外。あいつはもうだめですね」。昭和61年春、車を運転しながらラジオをひねると、プロ野球解説者の声が耳に飛び込んできた。「自分はやってはいけないことをしてしまったのか」。不安がよぎった。

 “あいつ”とは広島東洋カープの守護神、「炎のストッパー」の名で愛された津田恒美(つねみ)のことだ。新人王を獲得後、右手中指の違和感に悩まされ続けた。さまざまな治療も効果はなく、球団は59年、チームドクターだった伊藤に最後の望みを託した。

 検査結果は第2関節から先の血行障害。ボールが右手から離れる際、大きく中指を後ろにそることで靱帯(じんたい)が血行を阻害し、指先まで血が届いていなかった。日本だけでなく、メジャーでも幾多の名投手が引退に追い込まれてきた難病だ。

 3日間、世界中の文献から治療法を探したが、有効な方法は見つからなかった。「靱帯の一部を切断するしかない」。血管拡張剤などによる治療では効果がなく、悩み抜いた結果、こう尋ねた。

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病院長となった今も診察に腕をふるう伊藤恵康さん
診察する伊藤恵康さん
伊藤恵康さん
診察する伊藤恵康さん
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