[PR]
ニュース: 生活 RSS feed
【外信コラム】赤の広場で ロシア軍の足元
ロシアで10月から始まった秋の徴兵で、春の2倍に当たる約22万人もの徴集が計画されている。軍隊内の激しいいじめや徴兵逃れの横行を受け、ロシアでは今年から兵役が1年間に短縮された。このため、徴集人数を増やして定員を充足する必要が出てきたのだ。これに伴って徴兵猶予の条件も狭められ、今回は小さな子を抱える父親や学生も容赦なく徴集されている。来年の徴兵はさらに大規模なものになりそうだ。
現行の徴兵制度もしかし、長続きしないのではないかとささやかれている。ソ連崩壊後に出生率が急激に低下したロシアでは、これから徴兵適齢者(18〜27歳)の減少が始まるからだ。専門家の一人は「適齢者のうち健康面で不適格な約3割を差し引けば、必ず定員を満たせなくなる。再び徴兵期間を延ばすか、志願兵制に移行するしか道はない」と話す。
他方、政権が意図する志願兵制への移行は遅々として進んでいない。志願兵の給与や住宅事情が劣悪なことが最大の理由だ。陸軍の兵士・下士官のうち志願兵は約2割の10万人にとどまる。8月のグルジア紛争でも、当局の約束に反して訓練が不十分な徴集兵が戦地に投入され、今も帰還させてもらえずにいる。
大規模な徴兵を無理に続けようとすれば、知的、肉体的に不適格な者をこれまで以上に強制的に入隊させることになろう。軍事力の誇示に必死なロシアの、足元を揺るがす問題は根深い。(遠藤良介)
[PR]
[PR]