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【探訪】一幅の水墨画思わせる景観 三重県尾鷲市・土井竹林
車通りのにぎやかな国道脇。パチンコ店の裏手に整備された遊歩道を歩いた。徐々に緑が増え、草いきれが辺りを包む。やがて現れる20メートルほどのトンネルを抜けると世界は一変した。
わずかに聞こえていた車のエンジン音が消え、かわりに風にそよぐ葉音が心地よく上空から降り注ぐ。そして垂直に凛と伸びた無数の竹が視界いっぱいに広がっていた。
三重県南部、熊野灘に面し、世界遺産・熊野古道の一部が走る三重県尾鷲(おわせ)市は江戸時代から林業が栄え、中でも尾鷲ヒノキは全国的に知られている。
「土井竹林」は街の中心部に位置し、約4000平方メートルに及ぶ敷地内には数千本の孟宋竹(もうそうちく)が所狭しと立ち並んでいる。中国原産の孟宋竹は国内で最大を誇り、土井竹林のものも高さ10メートルをゆうに超え、中には高さ20メートル、周囲60センチに及ぶものも少なくない。
土井竹林の起源は江戸時代にさかのぼる。漁業と並び、尾鷲を代表する地場産業である林業の基礎を築いた土井家が宝暦年間(1751〜63年)に薩摩から母竹を移植、育成した。1年を通して温暖なうえ雨量の多い尾鷲の気候は竹の栽培に適していた。
現在も竹林を管理する土井林業の浜田晃正さん(48)は、「200年以上も前から変わらず続いてきたこの景観を、訪れる人のためにこの先も残していきたい」と意欲を見せた。
展望小屋から竹林を望む。小屋の窓枠に切り取られた竹林は、さながら一幅の水墨画を思わせる厳かなたたずまいを見せていた。(写真報道局 山田俊介)
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「探訪」の動画は「産経ポッドキャスト」http://podcast.sankei.co.jp/でご覧になれます。
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