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【街物語】(40)iPod、ビアカップ…地場産業復活に挑む「磨き屋」集団 (3/3ページ)
このニュースのトピックス:街物語
悩みは職人の高齢化に伴う深刻な後継者不足だが、燕市は対策に動いた。19年5月、技能研修・開業支援施設「磨き屋一番館」を市内に開設。現在、全国から集まった20〜30代の研修生9人が腕を磨いている。
焼鳥屋、酒屋、介護ヘルパーなど転職を繰り返してきた東京都出身の津村啓生(ひろお)(34)は、「一生使える技を身につけたい」と一番館の門戸をたたいた1人だ。「技能習得は決して甘くはないが、自分で研磨した部品が輝きを増していくのが楽しい」
そして作業所内の騒音に負けないよう声を張り上げて、こう言った。「生意気なことを言えば、日本はものづくりで生きていく国。自分はその末端で研磨をやっているだけだが、日々生きている手応えを感じる」。最高峰の技術を集めたビアマグカップの研磨と燕市での独立経営が夢だ。
研磨歴50年以上で指導教官の1人、古関鉄男(68)は「目を輝かせながら研磨に取り組む若者たちと一緒に作業するのは本当に楽しい。最近、周りから『お前、若返ったな』とよく言われるよ」と笑みを浮かべた。
原油価格の高騰や忍び寄る世界的金融不安の影響についても古関は楽観的だ。
「この半世紀でいろんな浮き沈みを経験したけど、本物の技術があれば生き残れるもんだ」
若者に秘められた才能、地域再生の可能性…。確かな技術と情熱があれば磨けないものはない。
=敬称略
(文・写真 花房壮)
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