[PR]
ニュース: 生活 RSS feed
【外信コラム】イタリア便り 聖人への道は長い
よく、法王は死去すると少し時間がかかっても自動的に聖人になれると思われているが、決してそんなことはない。現に第2次大戦前後に国際社会で大きな発言力を持っていたピオ12世(1876〜1958)の場合、今年が没後50周年になるというのにいまだ「聖人」の1歩手前の「福者」になる段階で、イスラエルの反対で足踏みしている有り様だ。
ピオ12世は若くしてドイツ各地駐在の法王庁外交官として活躍したのち国務長官になった、ドイツ語も堪能な当時の法王庁一の知独家であった。
ピオ12世は、第2次大戦勃発直前の1939年から戦後の58年まで約18年間法王座にいたのだが、たとえ法王庁が第1次大戦に引き続き第2次大戦でも「不偏」的立場を取ったにせよ、法王がナチのユダヤ人大虐殺に積極的な反対もせず手を拱ねいていたことは許せない−というのがイスラエルの反対理由である。
だが、法王擁護派は、法王がナチ批判の文書を出していたことや、戦時中バチカン市国内や各地のカトリック教会に数十万人ものユダヤ人がかくまわれていたのは法王の無言の指示があったため−と主張する。
こうした法王庁とイスラエルの軋轢のため、今年の没後50年に予定されていたピオ12世の列福式も現法王ベネディクト16世のイスラエル訪問も、中ぶらりん状態になっている。(坂本鉄男)
[PR]
[PR]