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池袋「人世横丁」57年の歴史に幕 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:団塊の世代
午後5時、いつものように看板に明かりがともると、待ちかねたなじみ客らが次々にのれんをくぐり、狭いカウンター席はたちまち満席に。店の外で十数人が列を作った。店内では「さみしいね」「ご苦労さま」との声がもれた。2代目店主の井田幸男さん(55)は「横丁で生まれ育った者として『寂しい』のひと言ですが、これも時代の流れで仕方がない」。
横丁は風前の灯だ。景気低迷に加え店の老朽化、高齢化、都心の再開発ラッシュ?。人世横丁の目と鼻の先にあった「ひかり町」は2年前に姿を消した。平成?年の火災を乗り越えた新宿西口の「思い出横丁」と「やきとり横丁」も再開発のうわさが絶えない。
人世横丁の常連で社会学者の橋本健二・武蔵大教授(49)は「横丁を支えた団塊世代が引退した上、サラリーマンの飲食費が減ってクレジットカードの使えない横丁は苦しくなった。そこへ再開発の波が押し寄せた」と指摘する。
横丁の名を「人世」とした天ぷら店主の次女、中村規久代さん(70)は9年前から横丁の商店会長を務めた。数年前に案内板を新調。横丁の若い店主に余白に何か書くよう促したら、「あなたには横丁がありますか」と書き込んだ。
中村さんは言う。
「父と若い店主の間には50年以上の時があるのに、同じことを言う。やっぱり男には横丁が必要なんだなと思いました」
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