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【探訪】懐かしさ誘う街並み 愛知県常滑市・やきもの散歩道

2008.10.12 08:41
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土留めの石垣代わりに焼酎甕を埋め込んだ甕垣と、滑り留めに陶器が埋め込まれた路面が、レトロな雰囲気=愛知県常滑市の「やきもの散歩道」土留めの石垣代わりに焼酎甕を埋め込んだ甕垣と、滑り留めに陶器が埋め込まれた路面が、レトロな雰囲気=愛知県常滑市の「やきもの散歩道」

 複雑に入り組んだ狭い路地のあちらこちらに埋められた朱泥の陶器。軒を連ねる黒塀の家屋、レンガ造りの煙突、斜面の土留めとして埋められた無数の甕(かめ)が、不思議な、そして懐かしい景観と雰囲気をつくり出している。

 中部国際空港のある愛知県常滑(とこなめ)市は常滑焼で知られる陶器の街。名鉄常滑駅からほど近い丘陵地帯にある「やきもの散歩道」はレトロブームにも乗って人気を集め、昨年は10万人に及ぶ観光客が訪れた。

 常滑焼の歴史は平安時代にまでさかのぼり、瀬戸、信楽、丹波、越前、備前とともに日本六古窯(ろっこよう)に数えられる。江戸時代後期に朱泥焼が開発され、窯の改良もあってめざましい発展を遂げた。

 大正から昭和にかけて窯業はピークに達し、急須をはじめとした茶器、タイルや土管といった土木・建築用資材まで幅広い製品がつくられた。フランク・ロイド・ライトが設計し、大正12年に完成した帝国ホテル新館の外壁に採用されたのも常滑製のタイルだった。現在は100本以下にまで減少したレンガ煙突も最盛期には300本を超えていたという。

 しかし、昭和40年代に入り製陶工場の廃業、移転が続き、地域活性化策のひとつに設定されたのが「やきもの散歩道」。路地の狭さや起伏の激しさは再開発の遅れを招いたが、それが結果的にノスタルジックな街並みを残すことにつながった。

 散歩道の見どころのひとつで、国の重要有形民俗文化財に指定されている登窯を利用していた陶芸家の平野祐一さん(67)は「窯の仲間といえば親戚(しんせき)より仲がよかった。みんなが集まる窯入れの時などはお祭りのようだった」と当時を懐かしんだ。

 夕暮れ時の散歩道を歩くと伊勢湾に沈み行く太陽が街をやさしく照らしていた。振り返ると朱泥の陶器が一層赤く輝いていた。(写真報道局 山田俊介)

                   

 「探訪」の動画は「産経ポッドキャスト」http://podcast.sankei.co.jp/でご覧になれます。

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土留めの石垣代わりに焼酎甕を埋め込んだ甕垣と、滑り留めに陶器が埋め込まれた路面が、レトロな雰囲気=愛知県常滑市の「やきもの散歩道」
国の重要有形民俗文化財に指定されている登窯。10本もの煙突が並ぶ窯は全国でも珍しい
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