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高次脳機能障害のピアニスト 11月に初の大コンサート出演 (1/2ページ)
脳動脈瘤(りゅう)で倒れ、一命を取り留めたものの記憶ができなくなるなどの障害を負い、「高次脳機能障害」と診断された大阪府豊中市の野田和寿さん(36)が、ピアニストを目指して練習に励んだころの記憶と体で覚えた技術を頼りに、11月、初の大きなコンサートに出演する。野田さんが通う作業所のメンバーや両親は「高次脳機能障害について多くの人に知ってもらう機会になれば」とコンサートに期待を寄せている。
野田さんがピアノを始めたのは6歳のとき。毎日数時間の練習に励んで有名音楽家の名曲を弾きこなし、ピアニストになるのが夢だった。
ところが、コンピューター関係の仕事に就いていた平成17年6月、帰宅後、脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血で倒れ、意識を失った。一命は取り留めたものの新しい記憶ができないなどの障害が残り、「高次脳機能障害」と診断された。現在は、府内でも数少ない中途障害者の作業所「工房『羅針盤』」(豊中市)に通いながら生活を送っている。
通い慣れた道など記憶のほとんどを失い、日常の会話や生活も以前のようにはできなくなった。効果的な治療法がない中、母親の容子さん(62)が、脳の活性化を期待してピアノの鍵盤に野田さんの手を置いたところ、楽譜を見ながらゆっくりとベートーベンの「トルコ行進曲」を弾くことができたという。
ピアノ演奏には音符や記号の理解のほか、鍵盤の位置やタッチなど多くの記憶と技能を必要とするが、奇跡的にピアノに関する正確な記憶が残っていた。容子さんは「ピアノを弾くのをみて驚きました。突然の病気で生活は一変しましたが、新しい希望が見えた」と振り返る。
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