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【外信コラム】イタリア便り 貞操帯にあらず
9年前の1999年、イタリア最高裁判所が「ぴったりと腰を包むジーンズをはいた女性に対しては、女性の合意なくして性的行為を遂げることはできない」として、暴行容疑の被告の男性に無罪の判決を下し大センセーションをまき起こした。
ちょっとわかりにくい判決だが、ジーンズをいわば「貞操帯」とみなし、男性が性行為に及んだのは女性側の「合意」があったからだというのだ。この判決に抗議して、ムソリーニ元首相の孫娘をはじめとする女性国会議員たちが、ジーンズを着用し登院したほどであった。
しかし、今年7月に最高裁は別の事案で、9年前とは異なる判断を下した。ジーンズをはいた少女にセクハラ行為をしたとして、1、2審ともに1年の禁固刑を言い渡された男性の上告を退け、1、2審の判決を支持したのである。その理由は「ジーンズは貞操帯の一種ではない。男性がその気になれば手を入れて下着の中まで触れることも可能である」というのだ。
どちらの判決を支持するかは読者諸氏の判断に任せるとして、最高裁の判事は年配者が多いので、9年前の判事殿には、若いころジーンズをはいた女性と付き合った経験がない人が多かったに違いない。それにしても最高裁の判決文に「ジーンズは貞操帯の一種とはいえない」と書くところが、いかにもイタリアらしい人間味を感じさせるではないか。(坂本鉄男)
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