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【話の肖像画】できることからやってみる(4)
□タイのHIV感染孤児施設の代表・名取美和さん
■日本の今後が心配
−−タイでの暮らしはどうですか
名取 子供たちと大自然に囲まれて、ほっとしますね。蚊帳の外で乱舞する蛍に囲まれての眠りや、年数回ですけど、湯に映るお月さまと一緒に入るお風呂など、日本では考えられないぜいたく。
−−だからタイ、しかもチェンマイには退職した「団塊の世代」が多い?
名取 そう、ロングステイとか結構、いますよ。でもいいかげんな人たちも多いんです。「お手伝いさせてください」ってうちの施設に来るんだけど、アテにならない。せっかく組んだスケジュールも「ゴルフがはいったから」と平気でキャンセルでしょう(苦笑)。現役時代は、どこそこの会社の部長をやってた、と自慢する人ほどダメね。ボランティアとはいえ仕事は仕事。しっかりやってもらわないと困るのよ。
−−最近、日本では無差別殺傷事件など、殺伐とした事件が相次いでいます
名取 そうね。日本に帰るたびに(日本人の)マナーも人相も悪くなっている。残虐性もコントロールできないほど、ストレスが頂点に達しているような気がします。日本人はかつて、礼儀正しく、気配り上手な優しい国民だったのに…。これからの日本が心配です。
−−それにしてもいろんなことを手がけていますね
名取 うちは施設運営だけではありません。エイズ孤児への学校給食支援や感染女性への自立支援もしてます。タイと日本との共同作業でつくる小さな熊のぬいぐるみを販売するチャリティー事業「アンダーザツリー」(TEL046・875・8988)もあります。これは、日本の方にボランティア活動を通して、HIVをより理解し、支援に参加してもらうために企画したものです。
−−日本人向けですか
名取 作る人、売る人、買う人など多くのボランティアの協力が、結果的に子供たちとHIV女性感染者、タイの山岳民族の人たちを支援することになる仕組みです。日本人は観光はしても、世界を知らない。世の中、平和じゃない、ってことですよ。日本人に知って、考え、そしてできるところから行動してもらいたいのです。=おわり(押田雅治)
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【プロフィル】名取美和
なとり・みわ 昭和21(1946)年、中国・南京生まれ。1999年から、タイのHIV感染孤児施設「バーンロムサイ」の代表。

