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【正論】たばこ千円に向け大胆議論を 日本財団会長・笹川陽平 (1/3ページ)
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「その場しのぎ」は困る
たばこ1箱1000円への値上げを提案する拙稿が3、4月に2度にわたり本欄に掲載された後、新聞、雑誌、インターネットで広範な論議が起こり、6月には超党派の国会議員による「たばこと健康を考える議員連盟」も設立された。暴論を承知であえて「たばこ1000円」を提案したのは、破綻(はたん)状態にある国家財政の現状を国民に知ってもらい、税の在り方をあらためて考えてもらうきっかけにするためだ。
たばこ1000円は既に多くの国で常識となっており、あらゆる議論もこの数字を軸に展開されている。その一方で、落としどころとして1箱500円を模索する動きも強まっているが、これでは税やたばこ文化を考え直す機会にはならない。
その後まとまった2007年のたばこ消費量は約2600億本。これを前提に単純計算すれば、1箱の価格を200円アップの500円とすることで来年度からの基礎年金の国庫補助率引き上げに伴う増加財源2・3兆円は確保可能な数字となる。しかしこれでは従来通りの「その場しのぎの増税」「困った時のたばこ税」の域を出ない。
国債や借入金など国の債務残高はこの3月で850兆円に上る。地方自治体分を合わせると1000兆円に上り、危険水域を超えている。1000兆円がいかなる数字か、果たして理解されているだろうか−。国民1人当たり830万円、夫婦に子ども1人の標準的世帯なら2500万円にも上る数字だ。国債の利払いや元本支払いで政策投資は縮小し、経済は活性を失いつつある。

