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【正論】珍妙な証明書「タスポ」の怪 社会学者・加藤秀俊 (1/3ページ)

2008.7.10 02:39
このニュースのトピックス正論

人権団体容認の不思議

 自販機でタバコを買うときには「タスポ」(タバコ・パスポートの略)という身分証明カードが必要になったという。発行元の「日本たばこ協会」というのは民間団体である。それが購入者の住所、氏名、電話番号から登録番号、はては顔写真までを明示したICチップ内蔵の証明書がなければ売らない、というのはいったいなにごとであるか。

 旅券や運転免許証などの公的な身分証明ならまだわかる。その公的証明とおなじ詳細な個人情報を一民間団体が要求する根拠がわからない。

 さらに不審におもうのは個人情報やらプライバシーやら、なにかにつけてヤカましい人権団体、市民運動の諸氏が「タスポ」という非道な個人情報介入については沈黙を守っていることだ。

 これら人権団体からすれば喫煙というのはいまや「犯罪」なのだから犯罪者のプライバシーなど保護する必要はない、ということなのであろうか。

 それはともかくとして、「タスポ」の趣旨は「成年識別」のためでそれは「未成年者の喫煙防止」を目的とする、という。それならそれで結構だ。むかしのように、タバコはたばこ屋で買えばいい。自販機販売を廃止すればそれですべて解決するのである。それを廃止しないのはタバコを売りたいからである。売りたいのか売りたくないのか、なんだかこのあたりが煮え切らない。

売らんがための作戦?

 煮え切らないのはあたりまえ、この協会はその名のしめすようにタバコの業界団体だからである。本音はタバコを売りたいのである。それが証拠に「タスポ」の開発普及には自販機の業者団体も入っている。会長以下、理事は全員内外主要タバコ会社の社長さんたち。

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