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【街物語】(26)伝統の若狭塗ばしを後世に 福井県小浜市 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:街物語
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小浜市は国内シェア8割を誇る「塗ばし」の産地。とりわけ貝殻や卵の殻を使って模様を付ける若狭塗ばしは、江戸時代初期から約400年にわたり同地に受け継がれてきた特産品だ。
今年3月まで放映されたNHKの連続テレビ小説「ちりとてちん」は、ヒロインが若狭のはし職人の娘という設定だった。その影響で塗ばしにも注目が集まったが、昭和30年代の化学塗料の開発とともに機械化が進み、いまでは本漆を使った伝統的手法を守り続ける職人はわずか5人。
その1人、若狭塗の伝統工芸士、加福清太郎(63)の作業場を訪ねた。漆で塗り固めたはしをごつごつした手で研ぎ出すと、中に埋め込まれた貝殻の模様が美しく浮かび上がる。
「ほれ。触ってみろ。本漆で作った“本物”は持ったときにしっとりと肌になじむだろ」
深い色味を出すため、漆を何度も塗り重ねる若狭塗の工程は60以上。漆は一度塗ると乾燥までに1週間かかるため、一膳(ぜん)のはしが完成するまでには最低でも半年以上かかる。
「人は死んでも作品は残る。時間はかかろうが、100年経っても朽ちないものをおれは作りたい」。先代の跡を継ぎ、20歳で若狭塗の職人になった。なにも言わぬ父の仕事を見よう見まねで覚え、一人前になるのに10年かかった。
これまでに若狭塗の硯(すずり)箱や重箱も作ったが、売れずに食うに困ったこともあった。時代に合わせ、若狭塗の携帯電話の着せ替えカバーも作ったが、半年かけて完成させたときにはすでに機種が代わり、売り物にならなかったこともあったという。
「その点、はしはいい。日本人がいる限り、はしだけは絶対になくならん」
清太郎の技をいま、息子の宗徳(34)が受け継ごうとしている。
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