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【主張】出生率 総力挙げて少子化対策を
1人の女性が生涯に産む子供数の推計値である合計特殊出生率が、平成19年は前年を0・02上回り1・34となった。2年連続での上昇だ。
20代後半の女性を中心に産む人は減った。その一方で、団塊ジュニア世代を中心とする30代以降の女性に産む人が増え、第3子以上の出生数が多くなったことが一因だ。だが、連続上昇を手放しで喜ぶわけにはいかない。
出生数は前年より約3000人減り、6年ぶりの増加となった前年から再び減少に転じた。少子化傾向には依然、歯止めはかかっていないと認識すべきである。
出生数が減ったにもかかわらず出生率が上がったのは、出生数の減少が小幅だったのに対し、出産適齢期の女性数の減少幅が大きかったためだ。いわば、分母が減ったことが理由だ。これでは、出生率改善は“数字のマジック”といえよう。
人数が多い30代が出産適齢期を過ぎれば、子供を産める女性人口は急速に減る。早急に手を打たなければ、少子化は政府の予測より早まるだろう。
少子化の背景の一つに未婚・晩婚化がある。ところが19年の平均初婚年齢は夫、妻ともに0・1歳上昇した。ライフスタイルの多様化で結婚や出産をしない選択をする人も少なくない。だが、不安定な非正規労働者や低収入で結婚ができないという若者も多い。政府には、「就職氷河期」世代を含めた、若者の雇用環境の改善に本気で取り組むよう求めたい。
結婚した後も「仕事か、子育てか」の選択を迫られ、産みたくても産めない環境がある。保育園や学童保育も足りない。教育費をはじめ子供を育て上げるには膨大なお金がかかる。こうした理由で、第2子や第3子をあきらめざるを得ない夫婦も少なくない。企業側の理解と協力も不可欠だ。
昨年末、政府の「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」は、新たな少子化対策をまとめ、追加費用として年間1・5兆〜2・4兆円が必要と試算した。少子化の処方箋(せん)はおおむね出そろっている。もはや、政府には予算をどう捻出(ねんしゅつ)し、実行に移すかの決断のみが求められている。
団塊ジュニアは年々、出産適齢期から離れていく。残された時間はわずかだ。安定財源の確保策を早急に明確にし、政府総がかりで対策に取り組むべき時だ。