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【集う】イスラエル独立60周年記念晩餐会
□13日、東京都文京区のフォーシーズンズホテル椿山荘東京
金属探知機による厳重な所持品検査も、この日は影を潜めた。駐日大使館を出入りする際には必須の関門なのだが、さすがに祝賀の場にふさわしくないと気を使ったのか。イスラエルを紹介する映像が流れる中、会場には数百人の多彩な顔ぶれがそろった。
まずは各国の外交団。1994年にイスラエルと平和条約を締結したヨルダンのサミール・ナウリ駐日大使は「中東和平達成には希望を持っている。そのために懸命に働いている」と前置きし、「私も今ここで、さまざまな関係の構築に努めている」と、グラス片手にほほ笑んだ。
日本の元外交官たちも輪を作った。元外務事務次官の川島裕・宮内庁侍従長は「イスラエルは、いわば世界の外交における一つのへそ。各国の外交官にも優秀な人がいた」と、駐イスラエル大使時代を振り返った。
駐日イスラエル大使館に30年以上務め、多数の著書がある滝川義人さんは、イスラエルも「還暦」を迎えて曲がり角がきたと言う。「イスラエルのユダヤ人人口はつい最近、米国を抜いた。西欧でユダヤ人の世俗化が進むなか、イスラエルは文化や宗教を守る重要な役割を担うことになる」
60年前。建国の父ベングリオンが独立を宣言した直後に、エジプトやヨルダンなど周辺のアラブ国家が攻撃を始めた。産声を上げた直後から戦乱の歴史を歩み続け、パレスチナ和平は今も道半ばだ。江田五月参院議長は「60周年をお祝いするが、パレスチナと敵対する気はない」と、やんわりクギを刺した。
ニシム・ベンシトリット駐日大使は、イスラエル国内にも多様な見方があることを踏まえた上で、「イスラエルの基本理念は『平和』である」と強調した。遠く離れた中東の地に、平穏な暮らしが訪れるのはいつの日か。華やかな会場に似つかわしくない、そんな思いにとらわれた。(佐藤貴生)

