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「キツネが繁殖」それは埼玉・川越の河川敷でした (1/2ページ)

2008.5.13 17:54

 開発が進み、基幹道路が近くを走る埼玉県川越市周辺の河川敷。今春、メスのキツネが3頭の子を出産した。子ギツネは両親とヘルパーといわれる若いメスに見守られ、巣穴から出るまでに成長した。母親に「石松」と名付け、生まれた当時から観察してきた川越市の川越陣力屋社長、江田幸一さん(61)は「あのやんちゃな子ギツネがお母さんになったのか」と感慨深げだ。(石井豊)

 夕闇が辺りを包み始めた4月29日午後6時半過ぎ。草の陰から若いキツネが現れ、周囲を見渡すと姿を消した。「ヘルパーです。異常がないか、確認に来たんです。間もなく子供たちが来ますよ」と江田さん。1頭、2頭…。耳がピンと立ち、若々しい毛並み、親の半分にも満たない体。3頭の子ギツネがやってきた。

 ふと、草むらの奥を見ると、1頭の大人のキツネが顔をのぞかせている。「石松です。子供たちが危なくないように警戒しているんです」と江田さんが教えてくれた。

 石松と江田さんの出合いは平成18年春。前年から追いかけていたキツネのペアに4頭の子ギツネが産まれた。中でも「やんちゃで、猫みたいに飛び上がったり、母親に突進してぶつかったり」、元気なオスとみえた子ギツネに、森の石松に重ねて石松と名付けた。間もなくメスと判明したが、名前は変えなかった。

 「石松は尾の先端の白さが他のキツネとは違う。毎日見ていると、顔も優しい顔をしていて(違いが)分かるんです」と江田さん。

 「次はこの子の赤ちゃんが見たい」と夢中になって毎晩観察を続けた。だが、キツネのすむ河川敷は人間が利用する施設と隣り合わせで、昨年は巣穴付近まで開発工事が進行。キツネは姿を消し、周辺で石松と父親を時折見かける程度になってしまった。

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