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【すごいぞ日本】ファイルIII 心やさし(1)HALが描く未来図 (2/2ページ)

2008.5.11 08:13
このニュースのトピックスすごいぞ日本
重い荷物も軽々と。文部科学省で開かれたシンポジウムで装着型ロボットHALについて解説する山海嘉之教授(右)=4月11日(大山実撮影)重い荷物も軽々と。文部科学省で開かれたシンポジウムで装着型ロボットHALについて解説する山海嘉之教授(右)=4月11日(大山実撮影)

 装着型のHALが描き出した人と機械の関係は、映画の中で人間に反逆した同名のコンピューターとは対極のものだ。しかし、異なる観点からHALに注目した人たちもいる。ヨーロッパのある都市で、山海さんは食事中に見知らぬ男性から話しかけられた。

 「共同開発のパートナーになりたい」

 身分を明かしたのは軍事関係の人物だった。

 米国防総省に招待され、講演したこともある。間隔をおいて何度も接触してくる欧州の軍事関係企業もあった。その度に「申し訳ないが、共同研究はできない」と丁重に断った。「人を幸福にしなければ、テクノロジーの意味はない」と考えているからだ。

 日本以外の国なら、研究開発と軍事の一体化は半ば常識なのかもしれない。

 だが、山海さんは「非軍事という特殊性こそが日本のロボット開発が世界を牽引(けんいん)していくことの大きな意義になる」と語る。

 HALの量産化を目指して設立したベンチャー企業「サイバーダイン」の生産拠点が今秋、茨城県つくば市に完成する。年間500台を生産し、医療・福祉施設へのレンタルが本格化する。昨年夏には世界展開と欧州の事業拠点となる「サイバーダインEU」をオランダに設立した。

 量産・普及部門も企業まかせにせず、自らベンチャーを立ち上げたのは、理念に反する使われ方や利益優先の市場原理からHALを守るためだ。「日本がいてくれて良かったと思われるような国づくり」をビジョンに掲げ、次世代を担う人材育成の場にしたいとも考えている。

                   

 「心やさしい ラララ科学の子」。戦後の子供たちを魅了した手塚治虫の人気アニメ「鉄腕アトム」。その主題歌の一節が遠くから聞こえてきた。世界を牽引する日本のロボット開発。ファイルIIIはその最前線を探っていく。(中本哲也)

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重い荷物も軽々と。文部科学省で開かれたシンポジウムで装着型ロボットHALについて解説する山海嘉之教授(右)=4月11日(大山実撮影)

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