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【正論】再論「靖国」 アンフェアな製作手法も露呈 国学院大学教授・大原康男 (1/3ページ)

2008.4.23 02:23
このニュースのトピックス正論

 とうに靖国神社の桜の花も散って、花見の喧噪もどこかへ消えてしまい、新緑薫風の境内は再び静かなたたずまいをみせているというのに、映画「靖国 YASUKUNI」(李纓監督)をめぐる論議はまだ収まりそうにもない。

 その基調音は、上映を予定していた映画館が相次いで中止に踏み切ったことで表現の自由が危うくなるという懸念だが、新聞各紙が指摘しているように、それは日教組の集会を拒絶したホテルの対応と類似したケースである。

 したがって、映画館側の過剰な自己規制がそもそもの原因であるにもかかわらず、自民党若手議員らで構成されている「伝統と創造の会」(会長・稲田朋美衆院議員)が求めた上映の動きがその契機となっているとし、「政治介入」を非難する方向に論点がずらされてしまった。

 稲田議員が9日付本欄で指摘した通り、この映画には文化庁の所管する日本芸術文化振興会の「芸術文化振興基金」(642億円の原資のうち530億円が政府出資金)から750万円の助成金が交付されており、助成するにふさわしい映画であるかどうかを判断するための材料を得ようとしたに過ぎない。

 つまり、国会議員の国政調査権に基づく適法なものであって、有村治子参院議員が3月27日の参院内閣委員会で文化庁の文化部長に対し、交付に関わる審査の手続きや経緯を厳しく質(ただ)したのも同じ根拠に立っている。

 この映画に対する評価は人によって区々(くく)であろうが、何といっても、3人のキャストのうち2人は「小泉首相靖国神社参拝訴訟」の原告であり、しかも、その1人は現在係争中の「靖国神社霊璽簿等抹消訴訟」の原告でもある。

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