ニュース: 生活 RSS feed
【きのうきょう】義母
静岡市駿河区 田形文 59歳 主婦
今年88歳になる義母は、3年前から始めた野菜作りに夢中だ。わが家の近くに“第2農場”を開拓し、孫の子守をしていた乳母車に農具を乗せ、行ったり来たりしている。
嫁いだ直後は私もしおらしく、義母も目いっぱい気取っていたが、2カ月たったころから、お互いメッキがはがれてきた。「あんたはそういう人だったのか」「ふん、そうよ」。売り言葉に買い言葉の果てしない泥仕合、ののしりあいは年中行事となった。
ところが、このごろ様子が変わってきた。私が突っかかっても、義母はそんな戯(ざ)れ言にかまっている暇はないとばかり聞き流す。野菜作りという新しい生きがいを見つけ、前向きな気持ちで充実した日々を過ごしているのだ。私は完全に置いてけぼり。
「お義母(かあ)さん、えらい。私、負けた」と言ったら、「何言ってんだね」と余裕の返事。私はこの義母の勢いから元気をもらって生きてきたのだ。完敗だ。