ニュース: 生活 RSS feed
【きのうきょう】初登頂
奈良県生駒市 佐藤セツ子 71歳
「やっと来た。初登頂」−。全身に喜びがあふれ、思わず声を弾ませた。
大阪市大正区の昭和山山頂(33メートル)にようやく登った。碑の横に立つ74歳の主人を見ながら、眼下の風景をパチリパチリと写真に収めた。貯木場や運河、川、渡し船…。このあたりは子供のころに遊び回った、思い出の詰まった場所だ。
昭和40年代になって山が造成されると知った。地下鉄の残土とゴミで造られると聞き、樹木が育つのかなと半信半疑だった。わが家も市道拡張で立ち退きを命じられ、この地を去った。それから36年になる。
山は樹木が生い茂り、悠々と枝を伸ばし、立派になっていた。山頂から望むと、大阪湾に沈む夕日が、なみはや大橋や千歳橋を浮かび上がらせていた。真っ赤な太陽が刻々と沈む姿を心ゆくまで眺めた。運が良ければ二上山や金剛山、六甲山も見えるという。次回は秋に訪れよう。山にそう約束して帰った。