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【お江戸単身ぐらし】(130)目が若返る街 (1/2ページ)
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桜と同時に一気に春が到来した。しかし、東京のファッション界は一足飛びに秋冬モード全開。今年後半のおしゃれを占う展示会が3月半ばからめじろ押しだ。縁あっていくつかのぞいていたら、興味深いおじさんに出くわした。
九州・佐賀市でブティックを開いている福田博さん(64)。この道40年、長年の経験に裏打ちされたファッション哲学が面白かった。
出会ったのは代官山で開かれた人気ブランド、ミナ・ペルホネンの展示会。デザイナー、皆川明さん(40)が12年前に立ち上げ、独自に開発した素材やプリント技法が高い評価を得て2006(平成18)年度毎日ファッション大賞を受賞している。
混雑を避け、初日の朝一番に駆け付けたのに、早くも百貨店や全国のブティックから買い付けにきたバイヤーやプレスでにぎわっている。いかにもそれらしいファッションに身を包んだ若い男女が多い。そんな中、一人異彩を放っていたのが福田さん。まあ思い切って言うと、馬券売り場に登場しそうなおじさんファッション。新柄ワンピースやコートの前で「カワイーイ」を連発する人の中にあって、ひとり無言で虫眼鏡を手に品定め。その有無を言わさぬ姿勢に引き付けられた。
そっと皆川さんに尋ねると、「私がまだ売れない時代から買っていただいている大切で怖いお得意さま。じっくり見たいからといつも朝一番に来られます」という。ますます興味がわき声をかけた。「えっ、目立ちますか? 仕入れは真剣勝負ですから店員任せにはできません」