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【逸品の美学】アップル「MacBook Air」 神は細部に宿る
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建築家、石上純也の作品「table」を思い出した。天板の厚さが3ミリしかない、重力を無視するような長さ10メートルの机。あり得ないと思っていたものを目の当たりにしたとき、人は心を揺さぶられる。
封筒から取り出されたA4ノートパソコンも常識外れだった。アルミ製のボディーの厚さは2センチもない。アップル社の「MacBook Air(マックブック・エア)」には、「作品」と呼びたくなる雰囲気が漂っている。
「アップルは性能や技術を語りません。感性で評価してもらいたい。このパソコンを見た人、さわった人は、なんとなく感じ取ってくれると思うんです」
同社のPRマネジャー、鈴木正義さんはさらりとそう言うけど、「感性」というあいまいなものをたぐり寄せるのは至難の業。受け取る側は「なんとなく」でも、送り手も「なんとなく」では、共感は得られない。
数々の“仕掛け”が施されている。挙げればキリがないからひとつだけ。内蔵カメラの作動を示すライト。アルミ製のボディーが光る。書き間違いじゃない。すべすべの金属面がいきなり光る。裏側から極薄に加工されているから、光を透過するのだ。
さりげないけど、おそろしく手間暇がかかっている。なにもそこまで…と思えるぐらいの美への追求心があちこちにうかがえる。「デザインでまったく妥協しなかった」そうだ。断言したい。これほど美しいパソコンは、過去に存在しなかった。唯一無二。
鈴木さんいわく。「ファッション雑誌の編集部から、撮影用の小物に使いたいと貸し出しの申し込みがたくさんあります」。さもありなん。「神は細部に宿る」という言葉を思う。(篠原知存)

