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【もてなしの心】琴平花壇 「こんぴらさんの門前町、森鴎外ら文豪も愛した宿」 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:年末・年始
「こんぴらさん」の愛称で親しまれる香川県琴平町の金刀比羅宮。海の守護神、農業殖産など広範な御利益のある神様として、今も多くの参拝者が訪れる。そんな門前の一角にたたずむのが、森鴎外ら明治の文人が愛した老舗旅館「琴平花壇」。若女将の三好りつ子さん(53)は「都会の騒々しさから離れた静かな町でゆっくりとした時間を楽しんでほしい」と話す。御本宮(ごほんぐう)まで計785段の石段を上り下りする参拝者らが心身を癒やし、旅の思い出が一生の宝となることを何より願う。
古来より門前町として栄える同町には、讃岐うどんや、同県丸亀市名産の丸亀うちわなどを販売する土産物屋のほか、十数軒の旅館やホテルが並ぶ。中でも、琴平花壇はひときわ長い歴史をもつ。創業は寛永4(1627)年。3棟ある数寄屋造りの離れは、与謝野鉄幹・晶子夫妻や北原白秋らが宿泊。「舞姫」などで知られる明治の文豪、森鴎外が宿泊体験を生かして執筆した小説「金毘羅」には旅館「琴平華壇」が登場する。
冬には雪化粧、早春には梅と、鮮やかに季節を告げる庭は、文人らが創作に思いをめぐらし、英気を養った情景をしのばせる。
北海道帯広市出身の三好さんは学生時代、東京で現在の総支配人、孝次さん(53)と知り合い、昭和58年に結婚、若女将となった。以来、琴平の魅力を知ってもらうことを心がけて旅人と接してきた。
客室の窓から見える金倉川の向こう岸の御旅所(おたびしょ)には、毎年10月、金刀比羅宮の神事「例大祭」でみこしが到着する。「御本宮と御旅所の間にあるこの旅館は神様に守られているんですよってお話ししています」。年末年始には安全な航海への感謝と祈願に訪れる初詣での海運業者らが宿泊する。


