MSN Japanのニュースサイトへようこそ。ここはニュース記事全文ページです。

【停車場ストーリー】JR信越線・横川駅 碓氷峠越え復活願う終着駅 (1/2ページ)

2008.3.29 09:27
このニュースのトピックス停車場ストーリー
現在でも週末には、ホームで「かまめし〜」と声を張り上げる最後の売り子、桐生富作さん。廃線で売り上げは激減したが、「列車の中で食べる釜めしは格別。できることなら復活してほしい」と寂しそうに話す現在でも週末には、ホームで「かまめし〜」と声を張り上げる最後の売り子、桐生富作さん。廃線で売り上げは激減したが、「列車の中で食べる釜めしは格別。できることなら復活してほしい」と寂しそうに話す

 長野新幹線の開業に伴いJR信越線の横川(群馬県安中市)−軽井沢(長野県軽井沢町)駅間が廃線となったのは平成9年9月。かつて日本有数の難所として知られた両駅間の碓氷峠に響き渡った汽笛が消えて10年余の歳月が流れた。上下42本の特急・急行列車は消滅し、多くの乗降客でにぎわった横川駅は現在、1日24本のローカル普通列車がやってくるだけとなり、約300人の乗客が降りる小さな終着駅になった。

 明治26(1893)年に開通した官設鉄道中山道線は、碓氷峠の複雑な地形にさからうように、直線と緩やかなカーブで、553メートルの高低差がある11.2キロの「峠道」を築いた。建設作業は500人以上の犠牲者を出す難工事だったが、当時の技術の粋を結集し、工期はわずか約2年だった。

 開業当初は歯型のついたラックレールと機関車の台車部分の歯車をかみ合わせて急坂を上下する、世界でも珍しい「アプト式」技術が採用されていた。横川駅前の側溝には今も、ラックレールを使ったふたが使われており、知らない人はそのまま通り過ぎてしまう隠れたモニュメントになっている。

 昭和38年からは、レールとの摩擦力を高めたEF63形電気機関車(通称・ロクサン)2両の連結運行による「粘着式」が導入された。ロクサンは「峠のシェルパ」と呼ばれ、列車を後方から押し上げる役目を担った。

 坂は、1キロ進んで66.7メートル上る急勾配(こうばい)で、運転しているロクサンの機関士からは前方が見えない。無線から聞こえる先頭車両の運転士の声だけを頼りにレバーを操作する熟練の技が要求された。

 ロクサンの機関士を25年務めた佐藤昇さん(64)は「碓氷峠の11.2キロはすべて頭の中に入っている。峠から下るとき、急制動をかけても滑走するので怖かった」。一度滑走が始まれば、車輪はロックされ制動が利かなくなる。一瞬たりとも気は抜けなかったという。

このニュースの写真

現在でも週末には、ホームで「かまめし〜」と声を張り上げる最後の売り子、桐生富作さん。廃線で売り上げは激減したが、「列車の中で食べる釜めしは格別。できることなら復活してほしい」と寂しそうに話す
横川駅前で明治18年の創業から営業を続ける「峠の釜めし本舗おぎのや」
現在運行中の観光トロッコ列車「シェルパくん」と、延伸が検討されている旧熊ノ平駅方面に伸びる廃線跡(分岐右側)=トロッコ列車の終点・峠の湯駅付近
「峠のシェルパ」と呼ばれ、碓氷峠を越える列車を後方から押し上げる役目を担ったEF63形電気機関車(ロクサン)とロクサンの元機関士、佐藤昇さん
近代化遺産として国の重要文化財(碓氷峠鉄道施設)に指定されている旧丸山変電所。レンガ造りの建物内にはかつて、列車が急勾配にかかるときに必要な電力を補うための蓄電池が並んでいたという
アプト式時代の旧線跡の一部は現在、ハイキングコース「アプトの道」として整備され、レンガが積み上げられたトンネル内を歩くことができる
PR
PR

PR

イザ!SANSPO.COMZAKZAKFuji Sankei BusinessiSANKEI EXPRESS
Copyright 2008 The Sankei Shimbun & Sankei Digital
このページ上に表示されるニュースの見出しおよび記事内容、あるいはリンク先の記事内容は MSN およびマイクロソフトの見解を反映するものではありません。
掲載されている記事・写真などコンテンツの無断転載を禁じます。