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【断 横田由美子】共生できない男子たち

2008.3.8 03:33
このニュースのトピックスコラム・断

 20代の男子と話していると、相手に優しいのか無関心なのか分からない場面に遭遇する。彼らは概(おおむ)ね、清潔で小ぎれいだ。爪(つめ)をぴかぴかに磨き、眉(まゆ)を美しく整える。髪形や服装は洒落(しゃれ)ているし、俺様的な暑苦しい自己主張もない。だが本当は、周囲との軋轢(あつれき)を回避するため、表面的な優しさを身につけているのではという疑いが拭(ぬぐ)えない。

 たとえばカフェに入ったとき、彼らは丁寧な口調でこう尋ねる。

 「すみません、煙草(たばこ)吸ってもいいですか?」

 それがお愛想的な言葉だと気づくまで、時間はいらない。諾否を委ねながら、すでに口にくわえているからだ。了承した時には、煙草に火が点けられていることすらある。つまり、最初から相手の意思を尊重する気などなく、「断られない」ことが質問の大前提なのだ。

 わたしは、煙草が好きではない。匂いが染みついた髪のまま眠ることは苦痛以外の何ものでもないし、朝シャン(←死語?)派なので、帰宅後に髪を洗えば、2度手間がかかる。頭皮だっていたむ。

 だが、彼らはわたしが煙草が嫌いなことにも、そうした振る舞いに腹を立てていることにも、気がつかない。場が読めず、相手の気持ちを忖度(そんたく)できない若者が増えているとはいうが、事実、コミュニケーションがどこまでも一方通行なのだ。その裏には、自分の言動は正しく、むしろ紳士的であると信じて疑わない独りよがりな思考回路がかいま見える。

 彼らの世界では、住人は恐らく自分ひとりだ。「他人との共生」という、使い古された言葉に思いを馳(は)せるわたしは、もはや古い世代の側に与(くみ)しているのだろうか。(ルポライター)

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