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【もてなしの心】風評被害防止に大車輪の活躍・芦原温泉老舗の女将 (1/2ページ)
福井県を代表する温泉街・芦原温泉。歴史は120年を超え、地元で獲れる海の幸を目当てに、関西などから年間約100万人の客が訪れる。その温泉街の女将たちでつくる「若草会」は、平成9年のロシアタンカー重油流出事故の際、関西まで出向いて風評被害を食い止めるのに尽力した。会の発起人は、明治18年創業の老舗旅館「米和(こめわ)」の女将、大久保輝子さん(59)。そのキップのよさは今も語り継がれ、多くのファンの心をとらえて放さない。
(福井支局 平岡康彦)
若草会は平成4年10月、若女将の親ぼく団体として誕生した。旅館の女将は土日が最も忙しく、休日返上の生活。また、旅館業以外の人からすればなんとなく“高根の花”のイメージがあるといい、「PTAの会に行っても寂しい」と、ほかの女将から相談を受けたことがきっかけだった。
「最初はお食事会くらいのつもりだったんですよ」と大久保さん。ところが、若草会が親ぼく団体の域を越えて、大舞台の活躍を求められる時が間近に迫っていた。
平成9年1月、ロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」が島根県沖で座礁。芦原温泉に隣接する坂井市三国町安島の海岸に重油と船首部分が漂着する。全国のボランティアが重油の回収にあたり、海への大きな被害は食い止められた。
しかし観光のまちには、風評被害の対策という課題が残された。地元の観光協会や町が、若草会に相談。大久保さんらはPR隊として、関西まで出向いていくことになった。
和服姿にたすき掛けの女将たちが新聞社やテレビ局を訪問。全国の協力へのお礼とともに、観光地の復活をアピールした。「いくつまでが若女将なんや」というタレントの意地の悪い質問にも、大久保さんは「70になっても若女将ですよ」とさらり。「いつも裏方にいた芦原の女将が表舞台に立ったのは、あれが初めてかもしれませんね」と振り返る。


