[PR]
ニュース: 生活 RSS feed
【お江戸単身暮らし】(125)「明日への遺言」と名古屋 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:旅
名古屋で驚いたのは道路が広く、街路樹の緑が深いことだった。テレビタワーからながめると都市が整然と広がり、街並みの美しさにしばし見とれた。
しかし、それは名古屋空襲という大きな犠牲の上に成り立っていることを映画「明日(あした)への遺言」で思い知らされた。名古屋は38回に及ぶ空襲を受け、壊滅的打撃をこうむった。広い道路は戦後復興の歴史的産物なのだ。
度重なる空襲の中でも、5月14日のものは大規模で名古屋城が炎上、多数の犠牲者が出た。このとき捕虜となった者を含む米軍搭乗員38人を正式な手続きなしに処刑したとして責任を問われたのが東海軍司令官、岡田資(たすく)中将。映画は、無差別爆撃こそが犯罪であると主張し信念を貫いて巣鴨に散った岡田中将の法廷闘争を描いている。
占領下、通訳を交えた裁判はいかにももどかしい。しかし、そのもどかしさこそが当時の関係者の不安でもある。映像は裁判シーンを丹念に追い、静かな反骨精神をみなぎらせる。全編に漂う緊張感がゆるむのは最後のシーン。岡田中将は長い遺書を家族に残しているが、中でも妻への遺言は温かい言葉であふれている。中将役の藤田まことさんの低音がやさしく響く。
[PR]
[PR]