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【パーティー鑑賞】正論大賞贈呈式「ニーチェと小林秀雄から…」 (2/3ページ)

2008.2.24 17:44
第23回正論大賞、第8回正論新風賞 特別賞授賞式。正論大賞を受賞した佐伯啓思・京都大学教授は受賞の喜びを語った=21日、午後、東京・千代田区のグランドプリンスホテル赤坂(小野淳一撮影)第23回正論大賞、第8回正論新風賞 特別賞授賞式。正論大賞を受賞した佐伯啓思・京都大学教授は受賞の喜びを語った=21日、午後、東京・千代田区のグランドプリンスホテル赤坂(小野淳一撮影)

 産経新聞の正論大賞は言論活動に対して与えられるということで、本当に私がもらっていいのかと思います。思い返せば、小学、中学、高校まで作文が苦手で文章を読むのが苦手でした。教科で言えば国語、社会はいちばん苦手でした。時事的なことに関しても暗い方でした。

 それが多少こういうような評論を書くきっかけになりましたのは、1985年にたまたま最初に出しました本(『隠された思考』)がサントリー学芸賞をいただきまして、その後、幸いいくつかの新聞や雑誌から継続的に注文がありまして、私としては文章を書く練習のつもりで書いておりますうちに、二十数年がすぎてしまいました。

 ただこうしてあれこれと書いていますと、自分のテーマというものが自分でよく分かってくるもののようです。私の場合には、現代社会における規律と価値観の崩壊、目に見えるかたちでも、あるいは目に見えない精神のかたちにおいても、現代のものが極めて見苦しく醜くなったのではないかという感じが非常に強くしております。

 ニヒリズムといえばニヒリズムなのですが、考えてみれば私は高校のころに、西洋の思想家ではニーチェ、日本の思想家では小林秀雄、唐木順三が好きだった。私の問題意識は一貫しているのかなと思う。

 唐木というのは昔の思想家ですが、『無用者の系譜』というのを書きまして、今風に言えば知識人というのは無用者である、と。無用者というのは悪いものではなくて、社会の生産活動に何も役に立たない、政治活動をしているわけではない、一歩、社会からスタンスを退いたところでものを言う、そういう人を無用者と呼んだわけです。

 私自身も無用者であるという感じが非常にしております。何か特に役に立っているわけではないけれど、自分なりの文芸評論をやっている。しかしこういう大賞をいただきますと、無用の用といいますか、無用者にも出番があるのだなと思います。これからも無用者としてがんばっていきたいと思います(笑い)。

 無用者があまり長くしゃべっているのも何ですので失礼します(場内爆笑)。

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第23回正論大賞、第8回正論新風賞 特別賞授賞式。正論大賞を受賞した佐伯啓思・京都大学教授は受賞の喜びを語った=21日、午後、東京・千代田区のグランドプリンスホテル赤坂(小野淳一撮影)
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