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【福島薫一の男前洋品館】私の見習うイタリア人(2)
食事マナーに表れる品
北イタリアの織物の産地、ビエラ。数十もの機屋(生地メーカー)がある中で、自他共に認めるトップメーカーのオーナーです。
彼は、日本の雑誌などでもたくさん紹介されていますが、イタリア人には珍しい「無口」な人。しかし、その存在感は威圧的ともいえるほど。他者の追随を許さない「気品とセンス」を身につけた、60歳前後の世界有数のジェントルマンです。
自社の生地を、ミラノの世界最優秀のサルト(仕立屋)で仕立てさせたクラシックなスーツを身にまとい、トレードマークでもあるソフトハットをかぶって、ミラノの市内などを優雅に歩いている姿を何度も拝見したことがあります。
週末には、英国調のツイードのジャケットやハットをかぶり、趣味のハンティングに興じられています。
いつもシャツの左手の袖口のボタンを外し、その上からレザーのベルト付きの腕時計をされています。そのスタイルが、日本のファッション業界ではやったこともありました。本人いわく「レザーのベルトが汗などで汚れないため」らしいですが…。
何十回もヨーロッパに出張して、イタリア人など多くの人と食事をともにしましたが、彼ほどエレガントに食事される方とは、ご一緒したことがありませんでした。
ナイフとフォークの使い方にはじまり、ナプキンでの口のぬぐい方、スープのスプーンの使い方・口元への運び方、ワイングラスの口への当て方、そしてもちろんパスタのフォークへのからめ方−など、一緒に食事すると勉強の連続です。
しかし、一番学ばないといけないのは、食事中の会話のタイミングと、時間が優雅に流れるような食事のスピードだと思います。相手を気づかい、早くもなく遅くもなく、ゆったりと幸せになれるようなスピードです。
おしゃれも食事もマナーも、しっかりとした紳士になりたいものです。
(リングヂャケット社長)

