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アスベストで周辺住民も被害 奈良
アスベスト(石綿)による健康被害問題で、奈良県は19日、大手建材メーカー、ニチアス(本社・東京)の王寺工場(同県王寺町)と子会社の竜田工業(同県斑鳩町)の周辺住民を対象にした初の面接調査の結果を発表した。仕事などで「過去に石綿と関連した覚えがない」と答えた周辺住民のうち、石綿が原因とみられる胸膜プラークの所見または疑いのある人が20人にのぼることがわかった。
調査は、平成17年7月〜18年10月に両事業所の健康診断を受けたり、17年10月〜18年1月に両社近くの県立三室病院のアスベスト専門外来を受診し、「要経過観察」以上と診断された周辺住民を対象に実施。医師や専門家も交えた検討会で協力を呼びかけたところ、52人が応じ、県の保健所職員が18年11月以降に直接面接した。
その結果、過去に石綿を扱う事業所に勤務した経験があったり、勤務先の石綿関連企業から持ち帰られた作業着を洗濯するなどした家族を除く23人のうち、20人に胸膜プラークの所見または疑いがあったことを確認。同意を受けて提出された診断書で裏付けられた。
内訳は、竜田工業の半径約400メートル以内の住民13人と、ニチアス王寺工場の半径約800メートル以内の住民7人だった。
一方、16年1月〜19年11月に中皮腫で死亡した同県内の39人の遺族を対象に県が面接調査を呼びかけた結果、亡くなった26人の遺族が面接に応じ、うち死亡した3人が両事業所の周辺住民だったことが確認された。
県健康安全局は「20人が多いのか少ないのか、現時点では断言できないが、かつて周辺に石綿暴露環境があり、それが胸膜プラークなどとして見つかっていると推測できる」としている。