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【もてなしの心】里山の庵に星が降る 若女将「記憶に残る記念日に」 (1/2ページ)

2008.2.17 15:18
このニュースのトピックス関西ういーくえんど
「眼下に広がる田園風景の季節を移ろいを感じてもらいたい」と語る若女将の吉井さん「眼下に広がる田園風景の季節を移ろいを感じてもらいたい」と語る若女将の吉井さん

 “姫路の奥座敷”として知られる兵庫県姫路市夢前(ゆめさき)町の塩田温泉。旅館「夢乃井」は田園の小高い丘にある。若女将の吉井あけ美さん(36)は「広大な自然とゆったりとした時間の流れの中で、奥座敷の名にふさわしいおもてなしをしたい」と語る。霞がかかる山々の風景と、夢前川の清き流れ。その下に広がる田畑の土の香り。「耳を澄ませば、都会の騒々しさにかき消されていた自然のささやきが聞こえてきます」−。地元を愛する若女将の細やかな心遣いが客を癒やす。

(姫路支局 秋山紀浩)

 収穫を終えた冬の播州平野。小雪が舞う中、田畑でスズメたちが残り少ない食物を探り合っている。農道は真っすぐ伸び、川は緩やかに蛇行して播磨灘へと流れていく。騒音は絶え、水墨画のような閑寂な世界が眼前に開ける。

 姫路城から北に約15キロ。合併で姫路市となった夢前は、古くから姫路を食で支えていた。穏やかな気候と肥えた大地の恵みがあり、農業が盛んで、一面に稲穂が揺れる田園が広がる。戦後、煙突が目立つようになったが、今でも農家の営みは変わらない。

 「北に控える山々も雪化粧をしましたね」。丘の上の「夢乃井」からは季節の移ろいがよくわかる。ロビーや食事処のガラスが大きい。天井にもガラスの天窓があり、「満点の星空を感じてもらえます」。

 昭和38年の創業。本館と別棟で79室。館内は稲が飾られていたり、中庭に畑があったり、自然の温かみにあふれている。

 平成18年には、“里山の庵”をアピールしようと、別棟「夕やけこやけ館」を作った。吉井さんは「銀色に輝く稲穂、霞がかかる山々、あかね色に染まる空。塩田温泉の夕焼けは日本の原風景です」と話す。

 吉井さんは島根県出雲市で育った。接客にかかわりたいと、高校卒業後、地元の玉造温泉で働き出した。思うような接客ができない時もあったが、嫌だと思ったことはほとんどないという。「お客さまのおかげでここまで続いています」。

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「眼下に広がる田園風景の季節を移ろいを感じてもらいたい」と語る若女将の吉井さん
眺めの良い露天風呂。華やかさはないが、のんびりと心が落ち着く

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