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【街物語】(11)樹齢2000年の桜を救え! 再生プロジェクト (1/3ページ)
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古木に手を合わせ、老人はひとり、涙ぐんでいた。
山梨県北杜市にある日蓮宗の古刹(こさつ)「実相寺」の境内。樹齢2000年と伝えられる日本最古のエドヒガンザクラ「山高の神代桜(じんだいざくら)」は、今が盛りとばかりに大きく枝を広げて咲き誇っている。
住職の松永直樹(55)は、掃除の手を休めて、老人に声をかけた。
「どうしたのですか?」
老人は答えた。
「私たち人間は、行きたいところがあればどこにでも行ける。でも、この木は動けない。2000年もずっとここにいて、私たちを見守っていてくれる」
老人がサクラの木に何を祈ったのか。それは松永にもわからない。もう十数年も前のことだ。
しかし、この出会いがあってから、それまで当たり前のように見ていた古木を注意深く見つめるようになった。
枝先についた大振りの薄ピンクの花。最近、ちょっと色が白っぽくなってきてはいないか。強風や積雪で枝が折れやしないか。
「神代桜というくらいだから、この木には神が宿っている。『この木に会いにきてから病気をしなくなった』とか不思議な力を思わせる話もよく聞きます」と松永は老木を見やる。
◇
日本武尊が東夷出征の際に植えたとも伝えられる。日蓮聖人が木の衰えを見て回復を祈ったところ再生したため、「妙法桜」の別名も持つ。福島県の滝桜、岐阜県の淡墨桜とともに日本三大桜に数えられ、大正11年には国の天然記念物に指定された。
風雨に耐え、休むことなく花を咲かせてきた神代桜だが、昭和60年ごろから樹勢の衰えが目立つようになってきた。大正期には四方に約15メートル広がっていた枝も、平成14年には約半分に。枯死の危機もささやかれるなか、老桜を救おうと地元の武川村(現・北杜市)の住民らは立ち上がった。
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