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【なまはげは宇宙人!?】(中)日本海に2つの火の玉
秋田・男鹿半島の突端、入道崎は、日本海の荒波に洗われるさいはての地だ。灯台の近くにドライブイン食堂が8軒ほど並ぶほか、人工物はほとんど見られない。
「入道崎へUFO出現 みさき会館(店主撮影) ご希望の方には、ビデオをお見せ致します」
食堂の1軒「みさき会館」に、こんな看板が出ていた。名物のうに丼と同じ山吹色に塗られた2階建ての建物。1階は食堂とみやげ物店、2階は宿泊施設になっている。タイの塩焼き定食(1500円)とビデオ鑑賞を所望すると、店主の鎌田昭雄さん(66)は鷹揚にうなずき、ビデオデッキにカセットを挿入した。
鎌田さんが未確認飛行物体(UFO)を目撃、撮影に成功したというのは2003年9月16日。午後7時半ごろ、灯台近くで犬と散歩していたら、西の海に火の玉が浮かんでいるのが見えたという。
「最初は月かなあと思ったけど、火の玉は2つある。私はここで生まれ育ったから、船舶の光なのかお月さんの光なのか、そういうことはすぐに分かる。異常だと直感しました」
あわてて店にホームビデオを取りに戻り、20分間ほど撮影した。読売新聞07年8月19日付秋田版は、当夜の模様を地の文で次のように報じている。
《光る物体は、明滅し、二つ、三つに分裂し、一つに戻ることを不規則に繰り返す。上下左右、斜めに動き、物体が複数見える時は平行に移動する。豆電球ほどの大きさに見えたり、満月ほどの大きさに見えたりする》
《こうした現象は、散策客や住民ら10人ほども見ており、騒然となる様子がビデオに収められている。その夜は星空で、風はなく、飛行機のエンジン音などは聞こえなかった。最後は岬の原っぱに降りたように見え、周囲が赤く光り、近所の人が「火事になる」と怖がったという。だが、翌朝、原っぱを探しても、痕跡はなかった》
鎌田さんが食堂で映像のDVDを1枚1000円で販売したところ、口コミで広がり、遠く横浜や長野からマニアが見にきた。06年10月には、鎌田さんが理事を務める男鹿市観光協会などから成る実行委の主催で「入道崎UFOセミナー」を開催。UFO研究家の矢追純一さん(72)を招き、全国から集まった約40人のマニアと岬を散策し映像を検証した。
店内には「みさき会館さんへ UFOの名所は入道崎」と書かれた矢追さんの色紙が飾られている。
昨年8月には日本テレビのワイドショー「スッキリ!!」にDVDを送ったところ取材班が訪れ、他の事案とともに紹介された。出演者のテリー伊藤さん(58)は興奮気味に「僕はDVDを防衛省に持ち込みます。これは民間レベルの問題ではありません」とコメントしたという。
昨年12月、政府が「UFOの存在を確認していない」と初めて閣議決定したことをきっかけに、町村信孝官房長官が「個人的には絶対いると思う」と発言するなど、閣僚らによるUFO論議が活発化した。
鎌田さんは「テリーさんが防衛省に提出してくれたので、あの論議の時も私の映像が資料になったのです」と言う。
とはいえ、鎌田さんは世に言う「UFO研究家」の類ではない。たまたま未確認飛行物体を目撃し、撮影に成功したに過ぎないという。そもそも、男鹿半島は古来からUFO目撃譚が相次いでいる神秘の地なのだという。
鎌田さんに教えられ、『男鹿市史』をひもといた。
=つづく































