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【停車場ストーリー】茅葺き屋根に囲炉裏も…会津鉄道・湯野上温泉駅 (1/2ページ)
風情ある囲炉裏(いろり)端で、家族連れやリュックを背負った女性らが談笑する。立ち上がる煙は、茅葺(かやぶ)き屋根の内側から「命」となって吸い込まれていく。傍らの休憩いすは、セルフサービスのお茶をくみ目の前の売店で買ったまんじゅうを食べる人でいっぱい。
一般公開されている古民家でもなければ、テーマ館にあるセットでもない。日本でも珍しい茅葺き屋根をもつ、会津鉄道会津線「湯野上温泉駅」(福島県下郷町)の日常の一コマだ。
「5月と、10月末から11月中旬ごろがお客さんのピーク。(サービスの)お茶を入れ替える回数も数え切れないほど」
“この日”の駅長、白石美奈子さんは切符販売、売店での接客、電車が来れば改札にと走り回る。駅長は会津鉄道から駅業務を委託された下郷町観光協会の女性3人が日替わりで務めている。「きのう来ればスタイル抜群の美人(駅長)だったのに」。白石さんの大きな笑い声が待合室に響き渡る。
多忙な駅長を支えるのは玉川幸子さんら女性たち。玉川さんは白石さんの幼なじみで、勤続15年のベテランアルバイトという。
「(観光名所の)大内宿は込んでますか、雪はもう降りましたか、日帰り温泉は何時までやってますか、と駅にはいろいろな電話がかかってくるんですよ」と玉川さん。売店の仕事が落ち着くと、客が残していった湯飲み茶碗(ちゃわん)を回収し、てきぱきと洗っていく。
駅が茅葺き屋根となったのは、会津線が国鉄から分離し第三セクター化された昭和62年の12月。その後、一部補修は施したが「囲炉裏の煙には防虫と乾燥の効果があり、朝炭に火を入れて無人化になる夕方には消す、これを365日続けています。年末には町の皆さんとすす払いをするなど手入れをしています」(同社)といい、茅葺き屋根は地域の人々の手で大切に守られてきた。平成17年7月には、全国的な会津地方の観光キャンペーンに合わせて、初めて本格的な葺き替えが行われた。
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