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【橋下分析】「中途半端なタレント性は落とし穴」 黒田勇・関大教授
大阪府知事選で当選したタレントで弁護士の橋下徹氏(38)は当選翌日、1日で計27本のテレビ番組に出演、タレント知事の“実力”発揮した。メディアに露出するタレント知事の危うさについて、関西大社会学部の黒田勇教授(マス メディア論)に語ってもらった。
今回の知事選挙で、関西の放送局は候補者の扱いに慎重だった。橋下徹氏がタレントとして活躍していたために、他の候補者と比べて不公平にならないように、タレント性を重視した報道を自粛したように感じる。これまでは首長選のお祭りムードにのって、知名度の低い候補も個人的魅力をアピールできる機会があったが、今回はメディアがそれを自主規制したため、各候補のキャラクターが伝わらず、もとから知名度があった橋下氏にかえって有利に働いた。
今回、たまたま飲食店で客に橋下氏に投票する理由を聞くと「テレビによく出ていて親しみを感じる」という答えだった。有権者は身近な人間としてとらえているが、本当のキャラクターを知っているわけではない。一方的に親しみを感じるというだけで、知事が務まると信じるのは危うい。橋下氏は少子化対策や家庭の問題を訴えたが、解決のための具体策は見えない。橋下氏を支持した有権者自身が本当は何をしてもらいたいのか、分かっていないのではないか。
タレント議員の中には「何かをしたい」というより、「議員になりたい」という雰囲気を感じる人がいる。橋下氏は弁護士という職業をタレント化したが、知事はタレント化しないように願っている。
また、今回はマニフェスト選挙だったので、その公約が実現できたかどうか関西メディアは検証していかなければいけない。
橋下氏は物事を斜めに見たり、過激な発言をするのが売りのタレントだった。選挙期間中のように一生懸命さをアピールするなら、皮肉なことにそのタレント性は失われる。
しかし、極めて厳しい財政状況にある大阪府知事として、過激さは必要とされていない。経済界や議会と調整するなどの堅実性が求められる。テレビ局が別のタレント性を作り出すのかもしれないが、中途半端に今のタレント性を維持すれば、本当の意味の知事は務まらない。大阪のために劇的に変わってほしい。(談)