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【低学年放課後の居場所(2)】全児童対策事業…行き届かぬ指導員の目 (1/2ページ)
文部科学省と厚生労働省は今年度、小学校の空き教室などを利用し、親の就労にかかわらず、すべての小学生が放課後に遊べる居場所づくりでを始めました。しかし、家が留守になる共働きや一人親家庭からは「子供の生活の場が失われ、安心して働けない」と、評判は今ひとつです。(清水麻子)
「子供は時間をつぶすだけのために、行っているような感じでした…」
神奈川県川崎市に住む加藤美由紀さん(43)=仮名=は2年前、小学1年生の長男を同市の全児童対策事業「わくわくプラザ」に通わせるのをやめた。スタッフの子供への関わりが薄いと感じたからだ。
川崎市は5年前、国の施策を先取りする形で全児童対策事業を市内の全114小学校で始めた。学童保育の待機児解消が目的で、同市はこれを機に学童保育への補助を打ち切った。登録すれば、市内の子供は誰でも午後6時まで利用できる。利用者は1施設平均約50人だが、来るのは自由だから、顔ぶれも人数も一定しない。
加藤さんの長男が利用した場所は、利用者が1日約80人もいた。スタッフは子供が入って1カ月以上たっても、顔と名前が一致しない。ドッジボールで一緒に遊ぶこともなく、子供同士が仲間意識を持つ手助けもしていないように見えた。
「子供もつまらなそうでした。たくさんの子でガヤガヤし、別のクラスや異なる学年の子供と遊び始めるきっかけもつかめない。スタッフは拡声器で子供に声をかけていました」
仕事中も子供のことが気にかかるようになり、結局、民間の学童保育に移らせた。見学で一歩足を踏み入れたとたん、わくわくとまったく違う雰囲気を感じたからだ。
「指導員の方が読み聞かせをしていたのですが、みんな静かに聞き入っていて、楽しそうでした。静かにすべきときは静かにできる子に育っていることを感じました」
補助金がないため、無料のわくわくと違って、費用負担は月額2万5000円。だが、子供の将来を思うと高くはなかった。
それから2年。スタッフが子供同士の関係作りを働きかけるせいか、長男には最近、1、2年生の“お兄さん”としての責任感が芽生えているという。「子供の成長を見越して接してくれる指導員がいるので、安心して働けます」と加藤さんはうれしそうだ。

