ニュース: 生活 RSS feed
【遊遊楽楽】和歌山県白浜町の食の旅 養殖でもクエはやっぱり王様! (1/3ページ)
そのおいしさで知られる高級魚、クエを食べに和歌山県白浜町に行ってきた。漁獲量が少なく、旅行者が気軽に口にできない幻の魚とされていたがこの冬シーズンから、同町の旅館やホテルが、養殖のクエを楽しむ宿泊プランをスタートさせたという。「1度食べたら忘れることのできない味」なんて話も聞いていた。前から食べてみたかったんだ。(中井美樹)
キラキラと、日光を反射して輝く海面を船が進む。
「あれが養殖クエのいけすです」
取材ということで見学させてもらった近畿大学水産研究所白浜実験場。養殖技術に取り組む村田修教授(67)が指さした先には、ずらりといけすが並んでいた。同研究所が養殖に成功した、マダイやシマアジなどが中で泳いでいるという。
クエのいけすは日焼け防止のシートで覆われていた。職員がシートをめくりエサを投げ込むと海中から、いくつもの黒い影が近寄ってきた。体長は80センチぐらい、生まれて5年目の成魚という。
1匹を引き上げてもらった。大きく開かれた口、頭は大きく、ひれはザラザラで分厚い。なんともグロテスク。高級魚としてもてはやされているなんて、にわかに信じがたい風貌(ふうぼう)だ。
同研究所が養殖に成功したのは昭和63年。今から10年ほど前にも、観光関係者が「観光の目玉にしたい」と試食会を行ったが「この味ではダメだ。天然と差がありすぎる」と酷評されたという。
脂の乗り具合、歯応えなど指摘された部分を改良。稚魚を水温の高い海で育成するなどの工夫を重ね、今シーズン初めて「これならいける」とゴーサインが出たという。
町内のホテル、旅館10軒が「紀州クエ」として昨年11月から宿泊客に提供。「きっと満足してもらえる味になったと自負してます。おいしいですよ」と村田さんは笑顔をみせた。
夕食のクエを楽しみにしながら白浜観光に繰り出した。
砂岩が連なる千畳敷や島の中央に穴が空いた円月島など景勝地も多い。美しい白砂で知られ、夏には海水浴客でごった返す白良浜は、冬は静か。観光客が波打ち際をのんびりと歩いている。






