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訴訟リスクも高まる現場の実情浮き彫り

2008.1.26 21:27
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 医師不足や救急医療問題などに対する産経新聞調査では、産科や小児科の医療現場ががけっぷちに立たされる中、麻酔科や救急科、さらに内科にも医師不足の危機が迫っていることもわかった。特定部位ではなく全体を網羅する内科の医師不足は、地域医療の崩壊も懸念されている。

 ◇総合医が不足

 大阪市北区の診療所。マンションが林立し、お年寄りの診察がめっきり増えている。お年寄りらの診察内容は軽微なものが大半。勤務する医師は「かかりつけ医として健康状態をきちんとチェックしてあげなければならない」という。

 患者の増加で、院長のほか、他の医療機関などに勤める5人前後の内科医が交代で診察。事務責任者は全般を診る内科医探しに追われ「何でも診ることができる医師が少ないのです」と話し、こうした総合医不足が心配されている。

 一方、市内の大病院では消化器内科、循環器内科、血液内科など内科でも多くの分野に診療化が細分化。こうした分野にはスキルアップを目指す若い医師の人気は衰えない。大阪府医師会の酒井英雄副会長は「医学部生は専門医になるのがトレンド。学会認定の専門医になるには手術をこなさないといけないので、臨床例の多い都市部を選ぶ」と分析。都市部に集まった医師も専門的な診療科に人気が集中し偏在化が始まっているようだ。

 ◇新制度の功罪

 調査では、医師不足の表面化は国が平成16年度に始めた新医師臨床研修制度の影響とみる声が多くの医師会から寄せられた。

 新人医師は、出身大の医局が勧める研修を受けることが多かったが、新制度以降、2年間の義務研修後、研修先を自由に選べるようになった。石川県医師会の小森貴会長は「制度開始で研修医が都心部に集中し、医師供給を担っていた医科大学の能力が低下した」と話した。その都市部では総合医を中心にした内科医不足が始まっている。富山県医師会の福田孜会長は「地域偏在、診療科の偏りを招いた大きな要因で、廃止を含め抜本的な見直しが求められる」との見解も示した。

 ◇リスク対応策を

 産科や小児科の医師不足では訴訟リスクの高さも影響。救急医不足に対しても小森会長が「救急患者を受け入れた際、患者や家族が期待する結果と異なった場合に不満、時には訴訟になることが増えてきた」とするなど、リスクの程度が診療科間の医師不足の度合いに大きくのしかかっていることがうかがえた。リスクへの対応を求める声は多く、兵庫県医師会の西村亮一会長は「高リスクの診療科に対し、医師が安易に刑事告発されない制度の創設など安心して医療が行える環境整備への努力が必要」としている。

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