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【正論】政界混迷を「文化」で乗り切れ 日本建築士会連合会名誉会長・菊竹清訓 (1/3ページ)
日本風建築の魅力に関心集まる
≪リーダーとしての田中角栄≫
田中角栄元総理は毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい政治家だが、在任中に周恩来との間で日中国交を実現させ、国内では「日本列島改造論」によって日本経済の発展に大きく寄与した功績は偉大である。日本の将来のビジョンを示し、国民に未来への明確な方向を与えただけでなく、国家としての問題提起がされたと思っている。その成果は元国土庁事務次官、下河辺淳氏の素晴らしい取りまとめにより、「全国総合開発計画」として数次にわたって発表された。
委員会は、日本を代表する学者や財界有力者から構成され、その優れた議論は刺激的で、私は大いに啓発された。その後、田中内閣から大平内閣へと引き継がれ、梅棹忠夫委員長による「田園都市国家構想」がテーマとなったが、大平総理の急死以来、国家のビジョンが立ち消えになったことは惜しまれる。
一方、田中元総理は、列島改造に先立ち、ビジョンを遂行するための専門家集団として建築士制度の創設に尽力し、自らも建築士の資格を取得している。この制度により、建築教育が大きく転換し、建築士の資格に構造や設備など技術分野の重要性が明記されたことは重要な点である。半面「欧米の建築家」と「日本の建築士」との違いがはっきりし、現在のところ孤軍奮闘状態にあるが、統括的な役割を担うべき日本の建築士制度の本来の良さが、広く世界で認識されることを願っている。
≪金田一京助さんの激励≫
しかし、エンジニアと建築家の領域が明確に区別されている欧米の建築家資格制度には疑問が残る。現代技術の発展は目覚ましく、システム工学からIT、コストマネジメント、セキュリティーやメンテナンスシステムまで、その領域は著しく拡大し、建築技術とも密接な関係にある。
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