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【外信コラム】ポトマック通信 モータウンと私

2008.1.21 02:10
このニュースのトピックス女性

 60、70年代を風靡(ふうび)した黒人音楽「モータウン・サウンド」は学生時代によく聴いた。その軽やかな語感から、てっきり西海岸の街の名前だと思い込んでいた。

 それがモーター・タウン(自動車の街)、デトロイトのニックネームだと分かったのは1年前、現地を取材で訪れたときのことで、重く殺風景な街の光景と軽快なリズムとのミスマッチに思わず吹き出してしまった。

 先日、再訪し、タクシーに流れるマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」に聴き入っていたら、黒人女性運転手が「スタジオに行った?」と尋ねてきた。名曲が録音された場所が今も保存されているという。

 訪ねてみると、そこは「モータウン博物館」になっていた。地元の黒人男性ベリー・ゴーディが1959年に、郊外の小さな民家をスタジオに改造したのだという。ピアノとドラム、天井からはマイクのコードが下がっている。眺めていると、若き日のスティービー・ワンダーが首を揺らして歌う姿が浮かんできた。

 「今よりも差別が厳しかった時代、実力ある黒人歌手が自由に活動できる場所だった。うわさを聞きつけた若者が次々とドアをノックしてきたのさ」と案内役の男性。

 72年にロサンゼルスに移転。街はその後、ビッグスリーの業績不振とともに低迷、今もリストラ風が吹く。だが、「モータウンは自分の誇り。街も音楽も」という彼らの言葉は、メロディーとともに耳に残っている。(渡辺浩生)

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