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【正論】国民ひとり「一生一番号」に 社会学者・加藤秀俊 (1/3ページ)
このニュースのトピックス:旅
国の情報管理の稚拙さがはがゆい
≪米国の社会保障番号は≫
いまからほぼ半世紀むかしのこと。1959年にスタンフォード大学に勤務しはじめたとき、わたし宛にとどけられてきた名刺くらいの大きさのカードをたしかめながら、研究所の事務担当のオバサンが、じぶんの誕生日を忘れたっていいから、この番号だけは忘れちゃダメよ、と念を押すようにいった。そのカードには549−XX−XXXXという9ケタの数字がわたしの名前とともに印刷されていた。それがアメリカの「社会保障」(ソシアル・セキュリテイ)番号というものだ、ということを知った。
その当時はまだ若かったし、アメリカの社会保障制度などに興味もなかったから、イエス、と答えてそのカードを財布にいれておいただけだったが、しばらく勤務しているあいだにこの番号がどれだけ重要なものであるかがわかってきた。
まず、自動車の免許証の交付をうけるため警察にいったら、住所・氏名とならんで「社会保障番号」の記入がもとめられた。そして、おどろいたことに後日郵送されてきた免許証の番号もそれとまったくおなじだったのである。
銀行で口座を開設するときにもこの番号の届け出が必要だった。口座番号が銀行独自のものだったのは当然だが、これがなければ銀行取引もできなかったのである。いまはどうなっているか知らないが、ホテルに宿泊するときにこの番号あるいは旅券番号の提示をもとめられることもあった。
とにかく、どこにいってもわたしの身元確認は549−XXではじまる9ケタの数字でおこなわれたのであった。
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