ニュース: 生活 RSS feed
【もてなしの心】穴場の温泉でひなびた情感を 京都・夕日ケ浦温泉 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:関西ういーくえんど
日本海に面した温泉地の穴場として、最近は関東の旅行客からも注目を集める京都府京丹後市網野町の夕日ケ浦温泉。昨秋オープンした「あまやどりの宿 雨情草庵」は、移ろいやすい地元の空模様をコンセプトにした新しいタイプの温泉宿。若女将の沖田真奈美さん(33)は「雨風をしのぐように都会の喧噪(けんそう)を逃れ、心を休めに来られたお客さんをもてなしたい」と語る。雨あればこその夕日。人あればこその湯の郷。「ひなびた情感を期待されるなら、丹後の宿は魅力にあふれていますよ」。若女将の情がきょうも宿を満たす。
(舞鶴支局 西家尚彦)
冬の日本海の荒波がごわごわと重低音を響かせて、近くの浜詰海岸に打ち寄せる。鉛色の空からは冷たい雨が降り続く。突然、雨が止んだかと思うと、嘘(うそ)のように辺りの靄(もや)が消え、朱色に澄んだ夕日が、日本海の水平線に浮かび上がった。
「日中の雨が上がり、晴れると、その日、丹後の海岸から眺める夕日は不思議なくらい美しい」。そこに気づいた沖田さんが演出したのが「雨情草庵」だ。
父の康彦さん(64)は、周辺で「一望館」など6つの宿泊施設を経営。3年前に新施設の建設を計画した際、沖田さんが温めていたアイデアを父に伝え、実現にこぎつけた。
「雨情草庵」は日本家屋の個別宿が5棟、敷地内に点在する。穏やかに降る雨が静けさを際立たせるという意味を持つ「静露(せいろ)」や、晴れた空から大粒の雨が落ちる「天泣(てんきゅう)」など、雨にちなんだ語句を各棟の名前にあてている。天然温泉の露天風呂を各棟に設置し、「田舎の民家でのんびり時を過ごせるような雰囲気を大切にしました」という。落ち着いた風情が、とりわけ年配の宿泊客に好評だ。


