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【外信コラム】赤の広場で トイレ=車の品質?
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トヨタ自動車がロシアの古都サンクトペテルブルク郊外に建設した新工場の開所式を昨年末に取材した際、その内部を見学して少し驚いた。従業員用男子トイレの一部が早くも使い物にならなくなっていたからだ。
ロシアのトイレが汚いのは、それだけを書いた著書が出版されたほど有名な話である。だが、完成したばかりの新工場のトイレで、小用便器6つのうち2つがすでに詰まって使い物にならず、割れた洗面台は接着剤でくっつけてあった。
禁煙の規則を破った従業員がたばこの吸い殻やガムを隠れて捨てたのかもしれない。
トヨタが売り物にする高品質の車づくりと壊れたトイレは、やはり結びつかない。ロシア人たちが「トヨタがいい車でも、ロシア製は買わない」という気持ちがわかるような気がした。
しかし、ロシアの官僚至上主義やワイロ文化など数々の障壁を乗り越えて、巨大な産廃ゴミの廃棄用地に近代的な工場をわずか2年半で稼働させたのは「ロシアにとって歴史的な瞬間」(グレフ前経済発展貿易相)だったことに違いはない。
ロシアに未来を見るトヨタはいま、同国製「カムリ」をロシアの国民車にしようとしている。「ロシア製はダメ」という悪しきイメージを変えるためにもまずはトイレ教育を、と言ったら大げさ過ぎるだろうか。(内藤泰朗)