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【街物語】(4)「天然コケッコー」漫画のままの田舎 島根県浜田市 (1/3ページ)
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青い空の下、陽光を照り返してきらきらと輝く日本海で泳いだこと。大人も子供も熱狂した伝統舞踊の石見神楽。いとこが飼っていたチャボ。そして海と山に囲まれた小さな集落から聞こえる、家族の笑い声。
くらもちふさこ(52)には忘れられない夏の原風景がある。人口7000人ほどの町、島根県三隅町(現浜田市)にある母の実家を初めて訪ねたのはいつごろだったか。きっと、母は小さな小さな自分の手を引いていたに違いない。何時間も寝台列車に揺られて着いた国鉄(当時)浜田駅から、さらに車で約20キロ。山を背に数十戸が寄り添うように暮らす集落で、妹やいとこと自然の中を飛び回るのが、ふさこの夏休みだった。
そして数十年後。「いつもポケットにショパン」などの人気作を送り出し、少女漫画家としての地位を築いていたふさこの元に長期連載の話が舞い込む。ふさこの脳裏にふと蘇ったのは、あの夏の日々。
「あれ、描いてみようかな」
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ふさこが平成6年から約6年間にわたって月刊誌「コーラス」に連載した「天然コケッコー」は、S県の小さな村で繰り広げられる青春物語だ。
生徒数6人の小中学校に、東京から男の子が転校してくる場面から物語は始まる。
《なんかしら ファッション雑誌の中からとびだしてきたみたい とってもあたし達と同じ素材で出来てると思えーん》
服装や話し言葉、東京の話など、転校生、大沢広海の一挙手一投足に驚き、あこがれる村の子供たち。一方で大沢も、病院もゲームセンターもない村を「なんもないとこ」と揶揄(やゆ)しながらも、人と人、そして自然が支え合って共存する世界を知る。










