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【正論】新しい年へ 若人よ、「公」に目覚めよう 拓殖大学学長・渡辺利夫 (1/3ページ)

2008.1.4 02:46
このニュースのトピックス正論

拓殖大学長3年にして思うこと

 ≪小さな世界に住まうなかれ≫

 衰えたりとはいえ日本の1人当たり所得はなお世界の最高位のレベルにある。しかし先進国の中で現状への不満が最も多く鬱積しているのが日本人だという国際比較調査についての報道を、最近ある新聞で読んだ。調査結果は真実を映し出したものにちがいない。その原因は、日本の歴史伝統をネガティブにしか評価せず、「公」に生きることの意義を若者に伝えようとしない日本の教育の在り方にあるのだと私は思う。そのことが若者に自分や自分の周辺の小さな世界に住まうことをよしとする消極的な傾向を定着させてしまったのであろう。

 拓殖大学の学長職に就任して3年ほどが経つ。私達が教育しているのは日本の平均的な若者である。彼等を公に目覚めさせたい、拓殖大学をそのためのモデルにしたい、奉職中、私の胸をつねに満たしていたのはその思いである。「成熟の時代」といわれ「ポストモダン」といえば響きは麗しいが、実際には躍動感に乏しく混沌たる価値観の現代を生きる若者達に、少しでも今生きて在ることの意味を実感させたい。その実感こそが若者の成長の源泉になるはずだという思いである。入学式や卒業式の告辞はもとより、大学や学生団体の広報誌などで私はその思いばかりをつづってきたような気がする。

 ≪まず行動し経験すること≫

 “私的利益はこれをいくら追求しても、その向こうにあるのは小さな自己満足だけです。私的利益の追求だけでは、自分以外の何ものかのために生き、共同体や社会に献身することによって得られる、心の底から湧き出るような幸せは手にできません。「公」に生きようではないか。公に生きるとは、貧しき国々、虐げられし人々、弱い立場の人間のことにつねに思いを寄せ、彼等のために行動するということです。経験してみればすぐにわかることですが、そうした思いと行動がわれわれをなぜか名状し難い誇りと幸福に導いてくれるのです。人間とはそのような存在として創られているのだとさえ私には思われるのです”

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