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新春対談「日本人の心」(3) 正論大賞・佐伯啓思氏、日文研教授・猪木武徳氏 (4/4ページ)
構造は柔軟でないが…
−−どうしてでしょうか
佐伯 ひとつは経済発展の問題。中国は何もないところにいきなりハイテク、金融が入ってきて成長してしまう。われわれが知っているような段階を追った近代化の手順が必要なくなった。農業国から始まって、工業化、それからハイテクという手順だ。中国は中抜きで世界の先端に飛び出すことができた。ロシアもそういう可能性がある。そういう国はグローバリズムで得をする。
−−日本は違う
佐伯 日本は優等生の近代化を進めてきて、社会構造、産業構造がしっかりできあがっているので逆に非常に苦しい。
猪木 ある程度秩序ができてしまっているので、柔軟ではない。
佐伯 それを日本の強みというか、よさと考えて維持しながら、グローバル化に対応していく。段階を踏んでいけばいいわけです。本来は日本の力は強いわけですから。
−−きょうはありがとうございました
■さえき・けいし 京都大学大学院人間・環境学研究科教授。昭和24年、奈良県生まれ。東京大学経済学部卒。同大学院経済学博士課程単位取得。滋賀大学助教授などを経て平成5年から現職。「隠された思考」でサントリー学芸賞、「『アメリカニズム』の終焉(しゆうえん)」で東畑記念賞、「現代日本のリベラリズム」で読売論壇賞をそれぞれ受賞。「新『帝国』アメリカを解剖する」「20世紀とは何だったのか」「倫理としてのナショナリズム」など著書多数。第23回正論大賞受賞。
■いのき・たけのり 昭和20年、滋賀県生まれ。京都大学経済学部卒。米国マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了。大阪大学経済学部教授、同学部長などを経て平成14年から国際日本文化研究センター教授。専門は労働経済学、経済思想。「自由と秩序」「経済成長の果実」「学校と工場」など著書多数。日経・経済図書文化賞、サントリー学芸賞、読売・吉野作造賞などを受賞している。



