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新春対談「日本人の心」(3) 正論大賞・佐伯啓思氏、日文研教授・猪木武徳氏 (2/4ページ)

2008.1.3 14:27
このニュースのトピックス新春特別対談・インタビュー
猪木武徳国際日本文化センター教授猪木武徳国際日本文化センター教授

民主主義は嫉妬社会

 −−さきほどの無私の議論ですね

佐伯 西洋では、表面に出てくるものが、何か実体のあるものを作り出すことに対する強い欲望、意思だとすれば、日本人の心にあるものは少し違っていて、そういうものの背後に形なきものを見るというか、「はかなさ」とか、「もののあわれ」とか、そういう言葉で言い表されてきた精神構造が日本人の中にはあると思います。

 −−それをどうすれば

佐伯 日本から戦略的に発信してみたらどうでしょうか。日本人のもっている精神性がグローバル経済とか、覇権主義的な国際関係とは違うということを言ったほうがいい。それは知識人の仕事だろうと思う。日本人は日本的なあり方をベースにして発言していく努力をする必要があります。

 −−まだまだ捨てたものではない

佐伯 少し、考え方を変えればいいんです。気がつけば、少しずつ物事は変わります。日本社会はどんどん窮屈になっている。そういうサイクルに入ってしまった。何かというと、たいしたことではないことで他人を批判する。自分に自信がないからそうなります。

猪木 むしろデモクラシーそのもの問題です。民主主義は差を許せないという嫉(しつ)妬(と)社会になりがちです。自由なシステムということはいいが、その自由の根拠はなにか。それは道徳ベースがないとだめなんです。その道徳の根拠は広い意味での宗教感情だと思います。それを無視した自由はありえない。民主主義の一番の欠点は、未来の世代への思いとか、同時代の他者への思いやりとかそういう公共性の精神を削ってしまうことにあります。

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猪木武徳国際日本文化センター教授
30代のころから勉強会で共に研鑽を積んだという2人。対談は深刻なテーマながら、笑いが絶えない和やかな雰囲気で進んだ
佐伯啓思・京大教授

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